OpenAIの「gpt-oss-120b」をはじめとする高性能なローカルLLM。これを動かすには、従来であれば数百万円クラスの業務用GPUサーバーが必要でした。しかし、AMDの最新APU「Ryzen AI Max+ 395」を搭載したミニPCの登場により、そのハードルは劇的に下がりました。
今回は、「128GBメモリ搭載・VRAM 96GB割り当て可能」 という、ローカルLLMに最適なスペックを持ちながら、約40万前後という現実的な価格(2025年12月時点)で購入できる2機種、Minisforum MS-S1 MAX と GMKtec EVO-X2 を比較します。
スペック表の細かな違い(特にストレージ速度や拡張性)にも注目して、用途に合う一台を見極めてください。
注:記載内容の正確性には十分注意を払っていますが、誤りが含まれる場合がありますのでご了承ください。内容や動作を保証するものではありません。
スペック比較:CPUは同じ、足回りに違いあり
CPU(APU)とメモリ容量は全く同じですが、ストレージの接続速度やネットワーク性能に明確な差があります。
| 項目 | Minisforum MS-S1 MAX | GMKtec EVO-X2(128GBモデル) |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen AI Max+ 395 (16C/32T) | AMD Ryzen AI Max+ 395 (16C/32T) |
| GPU | Radeon 8060S (40CU) | Radeon 8060S (40CU) |
| メモリ | 128GB LPDDR5X-8000 | 128GB LPDDR5X-8000 |
| VRAM設定 | VRAM設定BIOSで最大96GBまで割当可能 | VRAM設定BIOSで最大96GBまで割当可能 |
| ストレージ | 2TB(デフォルト) 2 х M.2 2280 PCIe4.0 SSDスロット(各8TBまで増設可能)RAID 0/1対応 | 2TB(デフォルト) 2 х M.2 2280 PCIe4.0 SSDスロット(各8TBまで増設可能) |
| 拡張スロット | CIe 4.0 x16スロット (x4動作) あり | なし |
| ネットワーク | Dual 10GbE LAN | 2.5GbE LAN |
| USBポート | USB4 V2 (80Gbps) ×2 USB4 (40Gbps) ×2 | USB4 (40Gbps) ×2 |
ローカルLLM動作:あまり明確な差がない
gpt-oss-120b(4bit量子化版/約70GB)を動かすための要件は、両機種ともクリアしています。BIOS(UEFI)設定でUMA Frame Buffer Sizeを96GBに設定することで、メインメモリの大半をVRAMとして扱えます。
・ 推論速度: メモリ帯域が同じ(256GB/s)ため、両者に体感できる差はほぼないと推測されます。
・ 実用性: Mac Studio (M2 Ultra/128GB)と比較すると速度は劣りますが、価格が約半額であることを考えれば、コストパフォーマンスは圧倒的です。
拡張性とネットワーク:MS-S1 MAXが断然有利
一方で、PCとしての拡張性はMS-S1 MAXが圧倒しています。
・10GbE LAN ×2: 自宅のNASと高速に通信したり、LLMをAPIサーバーとして外部に公開する場合、この帯域幅は強力な武器になります。
・USB4 V2 (80Gbps): 将来的にさらに高速な外付けストレージや、周辺機器が登場した際に長く使える規格を採用しています。
・PCIeスロット内蔵: 筐体内にPCIeカード(x4動作)を増設できるため、独自のネットワークカードやキャプチャボードなどを追加できる「遊べる」仕様です。
静音性と設置性
・EVO-X2: 一般的なミニPCサイズで、デスクの上に置いても邪魔になりません。高負荷時はファンの音がそれなりに聞こえますが、許容範囲内です。
・Minisforum MS-S1 MAX: ミニPCとしては大型(約2.8kg)で、ACアダプターも内蔵されています。冷却機構が強力(液体金属採用)なため、長時間高負荷をかけるLLMの連続稼働においては、冷却・静音面で有利に働く設計です。
まとめ
GMKtec EVO-X2 がおすすめな人
コスパ最優先。「128GBメモリ搭載PC」を最も安く手に入れたい。ストレージ速度重視。2枚のSSDをフルスピードで活用し、大容量のモデルを快適に扱いたい。机の上をスッキリさせたい、コンパクトな筐体が好み。
Minisforum MS-S1 MAX がおすすめな人
ホームサーバー用途。10GbE LANを活用し、24時間稼働のAIサーバーとして運用したい。将来性と拡張性。USB4 V2やPCIeスロットなど、後から機能を追加できる余地が欲しい場合。
総括
どちらを選んでも、これまで数百万円かかっていた「100Bパラメータ超えモデルのローカル運用」が、約40万円以下で実現できます。ご自身の環境(LAN環境やストレージの予定)に合わせて選んでみてください。
クーポンなどを適用すると若干 GMKtec EVO-X2 が安いです(2025年12月時点)。
